「マダム・ベー」九州初上陸
福岡市で開催された日韓映画文化交流研究会の第6回自主上映会にでかけました。
「REQUIEM-名もなき者への鎮魂歌」と題された上映会は3部構成になっています。
<第1部>
上映 「筑豊発-日韓に架ける橋」
上映 「マダム・ベー-ある脱北ブローカーの告白」
<第2部>
トークセッション
寺脇研氏(大学教授・映画評論家) × 佐々木亮氏(朝日新聞記者)
<第3部>
上映 「JSA(共同警備区域)」
11時半から16時過ぎまで、密度の濃い会でした。
今日のブログでは、今回が九州初上陸となった韓国・フランス合作のドキュメンタリー映画
「マダム・ベー」(ユン・ジェホ監督 2016年)について書きます。
北韓(北朝鮮)に住む一人の女性が、家族のために1年間だけの出稼ぎとして中国へ行く。
仕事があると言われていたのに、貧しい農村の嫁として売られてしまう。
その時、彼女は37歳。
だまされたとわかっても、北に夫と息子二人がいる彼女はお金を稼いでから帰ろうと留まる。
でも、1年間働いても、たいしてお金はたまらなかった。
「だから、悪いこともするようになる。」
それは、麻薬の密輸、カラオケ店へ女性の派遣、そして脱北ブローカーの仕事。
中国の夫とは好きでいっしょになったわけではないが、
彼は彼女を気に入り、子ども達を思う彼女の気持ちを大切にする。
一方、北にいる夫と子ども達との関係は…。
副題に「ある脱北ブローカーの告白」とありますが
血も涙もない悪人のお話ではなく、
家族、親子、夫婦について、そして国家について考える契機になる映画でした。