お金のうた-恥じらうごとき
「嘉麻のおくら短歌同好会」短歌講座の今月のテーマはお金のうたとしました。
買い物のうたはあっても
直接お金のことを詠んだ短歌は多くない気がします。
それだけに印象に残ります。
お金をテーマにしようとした時
まっさきに浮かんだのがこうたです。
父母の婚を思へばしみじみとじぶんで稼ぐ金あたたかし
朝井さとる 『羽音』
結句で「ありがたし」でも「うれし」でもなく「あたたかし」と言っているところに
胸を打たれます。
朝井さんとは、私の『百年の祭祀(チェサ)』が現代歌人集会賞の候補となって
2012年の同会秋季大会に出席した折に初めてお会いしました。
お金のうたをもう一首。
今年上梓された遠藤由季さんの『鳥語の文法』には次のうたが収められています。
ものを売る場所にはかつて闇があり恥じらうごとき金銭の照り