タヌキに無視されるうた
本日の「明るい気分になったうた」は
佐渡在住の佐山加寿子さん(かりん)の第一歌集『鈴さやさやと』より。
もの馴れたをんなのやうな狸なりわれを無視して花にくつろぐ
佐山加寿子
人が近づいても一瞥するだけで悠然とかまえている、
しかもその姿がどことなく艶っぽいタヌキ。
「花」は桜でしょうか。
想像すると、なんだか愉快になってきます。
昨年の末に近所の道でタヌキに遭遇したのですが
そのタヌキはこちらに向かって全力疾走(?)してきて
たいへん驚きました。
でも後で、人間に出会ってしまってびっくりしたしたのは
タヌキのほうだったかもしれないと思いました。
それに比べて、このうたのタヌキは
人なんて無視しちゃうんです。
くつろいじゃってるんです。
「もの馴れたをんなのやう」という比喩に味があります。