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村田光江歌集『記憶の風景』

  • momosaran
  • 2020年4月21日
  • 読了時間: 1分

「かりん」の村田光江さんの第一歌集が上梓されました。

( ながらみ書房 2019年11月16日 2,500円+税 )

おめでとう存じます。

短歌を詠んでいた人が詠むのをやめること、

短歌の世界から離れることを

「歌の別れ」と表現することがあります。

歌の別れの後

そのまま短歌に戻らないかたもありますし

再びうたに帰ってくるかたもあります。

村田光江さんは退職後に短歌を始め、

「かりん」に入会されましたが

7年後、体調不良により短歌を詠むことを断念されたそうです。

その間、10年。

村田さんはその10年間も「かりん」誌を熱心に読んでおられたといいます。

そして2014年に再び作歌を始め、

このたびの歌集上梓にいたりました。

歌集『記憶の風景』より、特に印象に残った作品をご紹介いたします。

 少年のごとき声して征きし兄野太き声となりて帰還せし

 足病むは辛きことなりされどされど息子に掴まり歩むもまたよし

一首目。出征した兄は変声期はすでに迎えた年齢だっただろうが

声の変化に焦点を絞って、出征中の状況、できごとの過酷さを思わせる。

二首目。育て、見守り、護ってきた子が今は支えてくれる。

その腕の太さ、たくましさ。

息子への母親の情が伝わってくる。

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