博多座

＜2022年1月19日＞

今朝、NHK総合テレビの情報番組が舞台俳優推しの特集をやっていて

その人たちが推す劇場のアンケート結果で

博多座（福岡市）が6位に入っていました。

日本全国に多くの劇場があり

中でも首都圏や大阪には数多いことでしょう。

その中で6位に入るなんて、なんだか嬉しかったです。

博多座は出演する側のかたがたからも評判がいいと聞きます。

私も博多座にはいくつかの思い出があります。

まず、初めて本格的なミュージカルを観たのがここでした。

「エリザベート」です。

市村正親さんやソニンが出演した回を観た「ミス・サイゴン」は

ヘリコプターなど舞台装置も圧巻でした。

そして、なんと言っても忘れられないのが

この劇場で初めて観た宝塚の舞台。

というより、当時　宝塚男役トップスターだった安蘭けいさんです。

新しく星組の男役トップに就いた安蘭けいさんが在日韓国人三世であると知った直後

博多座での星組公演が発表されました。

宝塚はそれまで特に関心は無く、

一度も観たことがなかったけれど

同胞を応援したい気持ちででかけました。

そして、魅了されてしまったのです。

安蘭けいさんに。

最初に観たそのステージでは

安蘭さんが韓国語で「ポゴシプタ」を歌いながら

客席通路をステージに向かって歩く場面が特に印象的でした。

この歌はたしか日本でも人気の出た韓国ドラマの歌ですね？

宝塚歌劇団の韓国公演の際

安蘭さんはこの曲を歌って大喝采を浴びています。

それらは後から知ったことで

その時は何も知らなかったのですが

安蘭さんのその歌にボロボロと泣いてしまいました。

それからは、今で言う「推し」の状態でした。

安蘭さんの次の舞台を福岡で観ることを励みにして

毎日の仕事をがんばりました。

安蘭さんの卒業が思いのほか早く

発表された時はとってもさびしかった。

退団公演は宝塚大劇場まで日帰りで足を運びました。

安蘭さんが宝塚からいなくなってしまってからは

張り合いがなくなってしまった感じで。

次の星組男役トップとなった柚月礼音さんが

初めてトップスターとして博多座の舞台に立った

「ロミオとジュリエット」も観てみました。

退団後の安蘭さんは舞台女優として次々にミュージカルに主演してあるけれど

公演は東京や大阪で

福岡ではなかなか女優としての安蘭さんを観る機会がないのが残念でした。

それが！

1年が過ぎた頃

とうとうその機会がやってきたのです。

「アントニーとクレオパトラ」の公演が

福岡でもキャナルシティ劇場でおこなわれることになりました。

安蘭さんはクレオパトラ役。

アントニーは

ＮＨＫの「花子とアン」でブレイクする前の吉田鋼太郎さんでした。

（シェイクスピア俳優としてはすでに有名だったそうですが）

安蘭さんにとっては

退団後初のストレートプレイの舞台です。

ひさしぶりに安蘭さんの舞台を観られると思うと

チケット代の1万円も気にならない。

舞台の安蘭さんは美しかった。

おみ足もとてもきれい。

でも・・・。

ストレートプレイだから、

安蘭さんの歌は聴けませんでした。

「ロミオとジュリエット」以後、

博多座には足を運んでいません。

コロナ禍が終息したら　また行ってみたいです。

　　クレヨンの箱に赤色なきような　宝塚より安蘭けい退く

　　キム・英子・ヨンジャ