忘るやと
<2023年3月6日>
・忘るやと物語りして心遣り過ぐせど過ぎずなほ恋ひにけり
万葉集巻12のうたです(2845番・作者不詳)。
忘れることもできようかと、ひとと世間話などして気を紛らわせようとしたけれど
もの思いを消し去ることなどできなくて、なおいっそう恋しくなったことよ。
これを現代の女性の立場で私なりに訳してみると・・・
あの人にメールを送ったけれど、返事もこない。
そのことばかり考えて気がふさぐので
いっときだけでも気分転換にと女子会に参加してみたけれど
笑っているのは顔ばかり、
ちっとも気は晴れなくて
友だちの恋バナを聞きながらも
心ではあの人のことをなおいっそう追いかけている・・・
といった感じでしょうか。
恋は十人十色。
でも、このうたを読むと
恋心は1300年前も今も変わらないとしみじみ思います。
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