「いであむ」第2号
<2024年4月9日>
「いであむ」は「かりん」の古河惺さんと霧島茉莉さんの同人誌です。
このたび第2号が出ました(2024年2月発行)。
私は同人誌に参加したことはないのですが
いくつかの理由で同人誌というのは
継続するのにたいへんさがあるだろうなと推察します。
「かりん」4月号の「忙中閑日記」を霧島茉莉さんが執筆してあって
拝読すると「いであむ」発行以外にも
日頃からおふたりで研鑽の場をもってあることがうかがえます。
「いであむ」は装幀もとても美しい。
その第2号発行を心より喜んでいます。
おふたりの短歌作品がたっぷり載っている上に
評論・エッセイと充実しています。
ミステイク・パラレルワールド ただいまと言はずに帰る木の家寒し
古河 惺
知ることで余計に解らぬことのあり光も愛も燦々と降る
救ひたい気持ちばかりが高まりて我は自分のことをやらねば
音楽に寄り掛かりつつ乘るバスのみんながみんな敵じゃないのに
*(新かな表記)
触れるほどにわからなくなる人体はどこまでかなしく満ちてゐるのか
霧島茉莉
脳溝に指を添へ切る一刀に心の居場所は心にあれかし
みなもとは足元にあると知つてゐる片栗の花の懸垂曲線
電柱は静かに風を切り続け雨垂れたんたんメールを返す
Comments