「かりん」8月号-花柄の野良着
今月号(2021年8月号)は2日に届きました。
このブロブでもご紹介した、
田中翠友さんの第一歌集『ふるさとの駅(ホーム)に立てば』の評が載っています。
(執筆は古谷円さんと水谷文子さんです)
馬場あき子先生の作品は7首掲載されています。
その冒頭の1首をご紹介いたします。
けものの皮張りし楽器をもつアジアご極彩の人ら素手に打ち打つ
馬場あき子
日本の太鼓や鼓。
韓国の小鼓(ソゴ)や長鼓(チャンゴ)など、
アジア各国のものをいろいろ思い浮かべます。
私のうたは6首載っていました。
全首ご紹介します。
励ましてくれたるひとはもう在らずその本を読む五月の光に
密接の緋鯉真鯉が泳いでる今年の五月は静かな空だ
コロナ禍を知らない子どもたちという歌生(あ)るる世の空は何色
朝の林檎四分の一を残しおき昼のりんごとなして食(とう)べる
ママも手を洗わなばいと幼子の通り過ぐるを厨より聞く
花柄の母の野良着の汗のにおい野苺を摘みて戻り来たりき
キム・英子・ヨンジャ 「かりん」2021年8月号
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