三木郁歌集『海峡』
- momosaran
- 2022年1月4日
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<2022年1月4日>
「かりん」の三木郁さんの第三歌集が出版されました。
(角川書店 2021年12月10日 2,600円+税)
帯文を「かりん」編集人の坂井修一さんが書いておられます。
タイトルの「海峡」は、
三木さんがお住まいの街と三木さんの故郷の間の明石海峡のことのようです。
歌集にはこの海峡と、そこにかかっている橋が折りふし詠まれています。
たとえば、つぎのような一首があります。
西方(さいはう)へ向かふ日輪の静寂を見つつ渡りぬ海峡の大橋
三木郁さん、第三歌集ご上梓おめでとう存じます。
火葬場へ向かふ車窓に海つづき無声映画のやうな白波
あめいろの蟬のぬけがらその背(せな)に身を放ちたる裂創のあり
挑みくる視線外さず見返せばワシミミズクは瞼閉ぢたり
薬売りに貰ひし風船ふくらますときに匂ひぬ万金丹の香
危険なる場所のごとくに年嵩の人近づかぬシルバーシート
友情はをみなをのこにあり得るか否か知らねど君はわが友
剪定の済みたる柿の新枝が春の光へひかりへと向く
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