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土屋千鶴子歌集『消えぬ索引』

  • momosaran
  • 7月21日
  • 読了時間: 1分

<2025年7月21日>


「かりん」のかたの歌集出版が相次いでいます。


順を追ってご紹介してゆきますね。


まず、土屋千鶴子さんの『消えぬ索引』は


このブログでもご紹介した『一行のスープ』に続く第5歌集です。


(本阿弥書店 2025年6月2日発行 2600円+税)


2020年春から今年初めまでの366首が収録されています。


自治体の職員としてコロナ禍への対応に奔走された日々のうたも含まれます。


土屋千鶴子さん、第5歌集のご上梓、おめでとう存じます🌻







ピッコロの音色みたいに菜の花の黄(きい)は跳ねたりきみを囲んで







感染は罪でなけれど不祥事のやうにもプレスリリース準備す







大西民子を誰も知らない県庁で介護保険の範囲議論す







人は人の声を求めて保健所の電話ひねもす鳴り止まずけり







傷ひとつ負はぬ空からきらきらと寒風はしるわが俗身に







隣席も向かひの席もチャットにてデータの在り処のみを告げくる







工業団地端のエンジェル保育園口座を持てぬ親もありたり







現金の出納長も必要とわが指導する部屋に十字架







フルーツとスパイス香るシュトーレンしあはせの粉わが手にこぼし







絆創膏、小型のナイフ常に持ちナイフは未だ使はずきたり







ああ誰の未来も預かることなくて山頂に立つ死後の青さに





















 
 
 

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