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夏目たかし歌集『今日の回診』

  • momosaran
  • 5 時間前
  • 読了時間: 1分

<2025年10月21日>


「かりん」の夏目たかしさんが第1歌集を上梓されました。


(角川文化振興財団 2025年9月25日発行 2,700円+税)


解説は坂井修一さんが執筆しておられます。


夏目たかしさんは歌集出版に先立ち


本年度のかりん力作賞を受賞されました。


重ねておめでとう存じます✨✨






真夜更けて「悪い知らせの告げ方」てふ講義を自習すパソコン画面に







検査室にトゥーランドットの曲流れ大腸の中覗かれてをり







今は秋いやもう冬か我が齢されど歌詠む小春日のあり








犬の名で呼ばれ動物病院の支払ひ口に並ぶ週末







坑夫らの暮らしは暗くなかりしとガイドは語る汗拭いつつ







老健に入りても叔母はデコポンを送りてくれぬ遠きふるさと







秋空を見上げ摘出心を待つとんぼも寄らぬ屋上に立ち







足元にフェルメールの絵を掛けて寝る移植心臓着きたる日には







外来の廊下に伏せる盲導犬主治医がドアを開ければ立ちぬ







病む人の失ひし脚が痛むとふ訴へに永く耳を貸さざり







「初めての入院です」と週刊誌閉ぢつつ答ふる百四歳あり







回診に言葉探せば病室の窓辺を照らす雪の降り初む















 
 
 

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