平田キミ歌集『フランネル草』
- momosaran
- 2 日前
- 読了時間: 1分
<2025年10月16日>
「かりん」の平田キミさんの第1歌集です。
(ながらみ書房 2025年9月20日発行 2,300円+税 )
タイトルは次の1首からとられているでしょうか。
〈うさぎのみみ〉と呼び慣れし花酔仙翁、フランネル草と知るは楽しき
その装幀もとてもすてきです。
解説は池谷しげみさんが執筆されています。
平田キミさん、初の歌集ご上梓、おめでとう存じます✨
ハルジオンの花咲く道を帰りくる早い児遅い児ずっと遅い児
田に積もる初雪まぶし給食のサバの唐揚げこんがり揚がる
抱かれて入園式に出でし児が秋には歩きうさぎを見にゆく
わが胸に転がる毬のように来て抱かれる猫に抱かれており
更地となれば狭き土地なり六人と牛一頭の家の間取りは
余震きてめくれる畳波打ちて茶の間を猫がぐるぐる回る
小止みなく一日ふる雪交代に軽めに運ぶ これからだから
雪運び掻きて下ろして食べて寝て新聞こない七日を重ねつ
校長を先頭にして雪の野をキャラバンのごと村に着きたり
売られゆくわが学資なる肉牛の大きな瞳、頬を忘れず
コメント