恒成美代子歌集『而して』
<2021年9月25日>
「未来」の恒成美代子さん(福岡市在住)の第9歌集です。
(角川書店 2021年9月7日発行 2,600円+税 )
歌集名には「しかうして」と旧かなのルビがふられています。
「しこうして」と読みます。
「そうして。それから。」という意味です。
このタイトルは次の一首から取られています。
妻といふ在り処消え失せ而(しかう)して博多の端(はじ)に生きねばならぬ
あとがきにご夫君が一年間の闘病の末に逝去なさったことが記されています。
こちらの歌集は先週の月曜日に手元に届きました。
火曜日の夜に一気に読み終え、
翌水曜日はその余韻の中で恒成さんにお便りをしたためました。
やさしさのことばが欲しいゆふつかたミモザを抱え帰り来るなり
記憶する言葉はいづれも悲しくて譬へば「僕は死をうけいれる」
その件はお断りしますといへなくて雨に濡れてる秋海棠は
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