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蛭間節子歌集『白いカローラ』

  • momosaran
  • 2021年3月19日
  • 読了時間: 1分

更新日:2021年3月24日

「かりん」の蛭間節子さんが『白いカローラ』を出版されました。


( 角川書店 2021年2月25日発行 2,600円+税 )


歌集題は


 

 

 籠りゐるわれらを攫ふ六月の風まとひ来し白いカローラ




からとられています。


ご両親をドライブに連れていくために子どもさんが白いカローラで迎えに来られた場面のようです。


1930(昭和5)年生まれの蛭間さん。


90代での第1歌集出版を心よりお祝い申し上げます。


「かりん」主宰の馬場あき子先生が帯文を、


そして編集委員の米川千嘉子さんが解説を書いておられます。


私も読み終えたばかり。


印象に残ったうたをご紹介いたします。




 竹箒をおほきく使ふ箒目に秋潮の引く音生るるなり




 蟬とぶを指さす病夫日にいちど心揺らすべしちひさくていい




 病む夫の「さむい」は心が寒いなり寒くないけど寒いのだといふ




 同じ屠蘇器に六十回目の酒をくみかたみに礼なす会釈のやうに




 垂るるとは地を恋ふること藤棚の千の莢実のひた垂るるなり




 油蟬は桜木が好き横に這ひ息ととのへて鳴きはじめたり




 心しやんとたたせる手立ての身づくろひ眉ひく右手を左でささへ




 備前の壺に石蕗(つは)のはつはな見てみてと思ふわたしがひとり見てゐる









 

 
 
 

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