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高尾文子歌集『あめつちの哀歌』

「かりん」の高尾文子さんの第6歌集『あめつちの哀歌』が出版されました。


(本阿弥書店 2020年11月11日 2,700円+税)


昨年のことになりますが


「かりん」横浜歌会40周年記念の合同歌集「潮凪Ⅱ」で


高尾文子さんの連作「荒野のマナ」を拝読した際


冒頭の一首が強く印象に残り


ノートに書き写しました。


その一首については


昨年ブログにも書きました。(2019.5.29付 タイトル「林檎忌」)


その一首が


このたびの歌集『あめつちの哀歌』の巻頭に置かれていて


なんだかなつかしいようなじわーっとした感慨に包まれました。


次のうたがその一首です。





 白桜忌 桜桃忌 林檎忌 うつくしい忌日ののちに来る原爆忌





他にも幾首かご紹介いたします。





イエス売つて銀得しユダの夜半の手を照らしたはずだ月の光は




ほしいまま庭ぢゆうに咲くほととぎすゆれゆれてあはれ除名の久女




妻を母をもう辞めしひとよ時のかなたの少女に帰りふつとほほゑむ




革命などなき平成のあさぼらけ体重を計つてもらふ香香(シャンシャン)




どこまでも深い蒼穹あの奥にかぞへきれない愛が待つなり













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