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内山真理子*マリ作品集『韮の花の咲く道』

  • momosaran
  • 2018年3月29日
  • 読了時間: 2分

柳原白蓮が歌誌「ことたま」を創刊したのは1935年(昭和10年)。

内山真理子さんが「ことたま」短歌会に入られたのは十代の頃、

1939(昭和14)年だそうです。

それから、途中お休みの時期はありながら

80年近く「ことたま」会員でいらっしゃるとのこと。

実は、先日ご縁をいただいて初めて東京の宮崎家を訪問し、

白蓮さんのご仏前にお線香を上げさせていただきました。

白蓮さんのご長女・宮崎蕗苳さんが継がれた「ことたま」の歌会開催の日で

その見学にうかがったのですが

私どもも急きょ参加申し上げることになりました。

その際、みなさまの詠草を詠みあげていらしたのが内山さんです。

歌会の後、幾人かでお茶を飲んで目白駅までごいっしょしたのですが

黒のロングコートを素敵に着こなしていらっしゃいました。

内山マリ名義で詩も書いていらして

今回の『韮の花の咲く道』には詩も十二編収録されています。

短歌は1942(昭和17)年から昨年までの作品が収められています。

生きの身の命の際の師を呼べば師は應(いら)へたり悲しかりけり

                           「白蓮先生惜別」(昭和42年)

 紫陽花の茂みに降りし雨の音やはらかきかな病みて知りたり

                           「眼底出血」(昭和63年)

 黙深く般若心経書き居るらし夫の部屋より墨の香流れ来

                           「老い」(平成13年)

老づきし夫婦が犬を子のごとく愛(いと)しむを視きそこそこ寂し

                           「想」(平成29年)


 黄な沢庵野沢菜漬けの深緑漬けたるひとはすでに世に無し

                           「挽歌」(平成29年)

 カステラの底のザラメの歯にしみて記憶の底ゆ浮びたるひと

                            「雑詠」


此んなことが幸福だったと今に知る自分の靴を自分で履くこと

 少し甘い小説なれど結末の明るく終れば満たされて閉ず


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