最終回(「俳句界」連載)
月刊「俳句界」(文學の森)で2018年1月号から連載した短歌エッセイ。
本日6月25日発売の7月号において最終回を迎えました。
連載エッセイじたいのタイトルは「たまくしげ」。
そして、最終回のタイトルも「玉櫛笥(たまくしげ)」です。
連載のタイトルの由来について
第1回(2018年1月号)にはこう書いています。
「タイトルのたまくしげは玉櫛笥、または玉匣と書きます。
玉は美称であり、魂(たま)にも通じるでしょう。
櫛笥は女性の櫛などの化粧道具や身のまわりの品を入れる箱のことです。
枕詞でもあり、開く・覆ふ・二などにかかります。
また、大切なものという意味で「奥に思ふ」、
櫛笥を開けて見るということで「見」と同じ音を含むことばに
かかるともいいます。
二〇一八年が明ける今、歌詠みとして思っていること、
大切にしていることを化粧箱をそっと開けるようにお見せしたい。
それを手紙のかたちで書いてゆきたいと思います。」
それから、1年と7カ月の間
短歌のこと、筑豊のこと、学生時代のこと、韓国に関わることなど、
自由に書かせていただきました。
最終回では、おもに筑豊の古代について書いています。
筑豊に数ある重要な古墳の中でも
私がもっとも関心をもっている忠隈古墳と山の神古墳について。
これらの古墳はどちらも炭坑との関わりが深いんですよね。
その関心の中で
「玉櫛笥(たまくしげ)」というタイトルが生まれたのです。
短歌を詠んでいると偶然がよく起こる、とは
このブログでも何度か述べましたが
地元の古代に惹かれて学んでいたら
「俳句界」の連載タイトルと結びつく偶然をみつけたのです。
つまり、連載タイトルの「たまくしげ」と
最終回のタイトル「玉櫛笥(たまくしげ)」は
同じ意味を込めたものではなく
私が出会った嬉しい偶然を示すものなのです。
このような偶然を得て連載をしめくくれることを幸運に思います。
これまで、書店や図書館で「俳句界」を手に取って
私のエッセイをご覧くださったかたがた、
ありがとう存じます。
こちらでエッセイを発表するのは7月号が最後になりますが
「民団新聞」ではリレーエッセイ「時のかがみ」を執筆しています。
こちらは「民団新聞」のウェブサイトでお読みになれます。
最近私が担当した回は5月22日発行分で
タイトルは「憶良の吹かれた風に」。
よろしかったらご覧くださいませ。
私の次回執筆は7月の予定です。