林芙美子の直方のみち
朝日新聞の土曜版beの「みちのものがたり」シリーズ。
12月14日は福岡県・筑豊の直方市が取り上げられています。
タイトルは
「少女時代の林芙美子のみち」。
林芙美子の自伝的小説『放浪記』に直方での暮らしが描かれているからです。
この記事のなかに郷土史家・牛嶋英俊さんのお名前が出てきます。
地元の歴史にくわしいかたとして新聞などで名前を拝見していた牛嶋さんに
初めてお目にかかったのは
たしか2016年の2月だったと思います。
知人から誘われて筑豊地域研究会の例会に見学にうかがった時です。
牛嶋さんは同会の会員でもいらしたのです。
例会にうかがって初めて知ったのですが
同会は近畿大学理工学部(飯塚市)の研究報告誌「かやのもり」に
筑豊に関する研究を執筆するところでした。
年2回発行される同誌に会員が交代で
自身が関心を寄せている、筑豊に関するテーマを執筆するのです。
(現在は、発行は年1回となり、
会の名称も筑豊北九州地域研究会に変更されています)
結果的に私も同会の会員となって
「かやのもり」28号(2018年発行)に
「いのちの歌~炭坑に生きた歌人・山本詞」と題した研究報告を
執筆することになります。
(山本詞は、やまもとつぐると読みます)
beの記事「少女時代の林芙美子のみち」に戻ると
「研究者には、芙美子にとって直方での体験は、
文学の原点だったと考えられている。」と書かれています。
「夜は貸本屋の本を読みあさった。
歌舞伎や講釈、「不如帰(ほととぎす)」のような家庭小説、
フランスの探偵小説まで。
極貧でも欠かさなかった読書が文才を培ったとみられる。」
学校に充分に行けなくても本を知識を渇望して
なんとか活字にふれようとしたところは
金子文子とも共通しているように感じました。