弥生のすずり
<2023年5月8日>
奈良時代にはまだひらがなやカタカナは無く
万葉集は万葉仮名で書かれていますね。
では、日本で文字(漢字)が書かれるようになったのは
いつ頃からなのでしょう。
3年前(2020年)、
弥生時代の石製品の中に
硯として使われた可能性のあるものが多数あると報道されました。
砥石などとみられてきたものが実は硯ではないかと調査がおこなわれ、
福岡県を中心に北部九州から近畿・北陸まで
その可能性のあるものが150例ほど見つかったという記事でした。
外交や交易の際に文字が使われたのではないかということで
ずっと印象に残っていました。
それから1年後(2021年)、
今度は弥生時代の硯工房のニュース!
この時点で九州から近畿にかけて300点以上の石製品が
硯と判定されていますが
福岡県・糸島市の御床松原遺跡から出土した石製品の中に
硯の可能性が高いものが47点あると判定されました。
これまでと違うのは
こちらは出土した数がとても多いのと
硯を作るための工具らしき石器も出土したことです。
判定した國學院大學・柳田康雄客員教授の
弥生時代中期前半(紀元前180~150年)に
中国から交易によって硯が伝来して、
ここで作られるようになったのではないか、
それらが交易を通して各地に広がったのではないか、
というお話が載っていました。
そうであるなら
これまで考えられていたよりもっと早くから
日本において文字が書かれていたということになります。
これまでの弥生時代のイメージが変わるような発見ですよね。
このふたつのニュースはコロナ禍の中、
とても印象深くて
「弥生のすずり」として今も頭の片隅に残っています。
これ以外にも
古代について胸がワクワクするような発見が続いています。
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