願いの車-人生最後の旅
- momosaran
- 2021年12月1日
- 読了時間: 2分
<2021年12月1日>
ドイツに願いの車という活動をおこなっている団体があると知りました。
ホスピスや在宅などで最期のケアを受けていて
自力では移動できないかたが
行きたい場所へ行くお手伝いをしてくれる。
人生最後の旅を実現してくれる無料のサービスです。
救急車を改造した願いの車で同行するのは
看護師、元ソーシャルワーカー、元消防士といったボランティアのかたがた。
ご本人の主治医が同乗することもあります。
もちろん、その希望の場所へいっしょに行きたいとご本人が願う
家族や恋人も。
この活動を紹介するドキュメンタリー番組の中で
ミュンヘンの緩和医療医師・フェッダーセン教授が
次のように語っていました。
「誰もが死ぬ。
避けることはできない。
どう生きるかといつも考えていることが大切です。
日々死を意識すれば豊かな生を生きられる。
願い事は死の直前までほったらかしにせず
元気なうちに叶えておけばいいんです」
まだ若い教授(4年前の映像では30代くらいに見えました)のことば。
これと同じような趣旨のことばにはこれまでも目にしてきました。
1年後に死ぬと思って生きよ、とか
明日死んでも悔いのない生き方を、とか。
でも、人生最後の旅に出るひとたち
(中にはその行き先が自宅だったひともいました。
30年間ドイツに住んだクロアチア人の
「故国で死にたい」という願いが寄せられたこともありました)
を追ったドキュメンタリーの中で聞くと
胸にストンと落ちました。
「願い事は元気なうちにかなえておけばいいんです」というのは
そうしたくても生きるのに精いっぱいでできなかったという場合も多いと思います。
たとえば、世界一周をするのが願いだったとして
それをかなえようにも
仕事が休めない、子どもたちの世話をしなければいけない、
経済的な余裕がない・・・。
そうして、夢は夢のまま胸にしまって生きることも多いでしょう。
大事なのは
夢に埃をかぶせて見ないふりをするのではなく、
いつか叶える、
叶えるためには今何をすればいいのかと
その夢をいつも意識しておくことかもしれないなあ、と思いました。
もし、人生最後の旅に出るとしたらどこへ行きたいか。
そんなことも考えました。
願いの車の活動はドイツから各国へ広がり、
日本では2018年に始まったそうです。
(一般社団法人「願いのくるま」。旅の行き先は関東または東海の日帰りできるところ)
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