「福」を包むー素花ポジャギ展
福岡アジア美術館(福岡市)で開かれている「第三回素花(ソファ)ポジャギ展」に
足を運びました。
日本でポジャギが注目され、人気が出始めたのは2000年代の初め、
韓流の少し前くらいだったと記憶しています。
そのころ韓国で購入した数枚のポジャギは、2008年からお稽古を始めた
茶礼で使っています。韓国の茶礼では茶床褓(チャサンポ)といって
茶道具を並べた茶床(チャサン)の上にポジャギをかけます。
日本でポジャギと言えば韓国伝統の手工芸のうち西洋のキルトにあたるものを
指していますが、それは正式にはチョガッポといいます。
ポジャギとは包む・保管する・敷く・覆う・遮るなどの用途のために一枚の布で
つくられたもののことであり、端切れをつなぎ合わせてつくられポジャギが
チョガッポなのです。
展覧会の初日に行われた講演「ポジャギの概論」では、ソウルからいらした
講師のかた(陳斗淑さん)に興味深いことをたくさん教えていただけました。
たとえば、
*広い意味ではチマチョゴリも体を包むポジャギである。
*ポジャギに包むもの達を「福」とみなし、その福を包んで大切にするという信仰
が人々に根付いている。
*ポジャギは宮褓(クンポ・宮中で使われるもの)と民褓(ミンポ・民間のもの)
がある。
など。
展覧会は入場無料で4月25日(火)まで開催中。
会場にはポジャギの他メドゥップ(韓国の組み紐)の作品も展示されています。