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井上久美子歌集『マザーリーフ』

  • momosaran
  • 2017年7月6日
  • 読了時間: 1分

「かりん」会員の井上久美子さんの第一歌集が上梓されました。

(2017年7月12日発行 本阿弥書店 税別2,500円)

井上さんは2000年に「かりん」に入会。

宮崎県で生まれ、県外で暮らした後に

再び宮崎で10歳からの8年間を過ごしたそうです。

現在は離れてお住まいですが

集中には宮崎を詠んだうたもみられます。

マザーリーフとはセイロンベンケイソウのこと。

葉を水に浮かべておくと葉先から小さな芽が出て、

葉の裏側からは根が生えて根付くのだそうです。

歌集の表紙はグレー、見返しはペパーミントグリーンという

装丁の色合わせもおしゃれです。

「かりん」の全国大会でお話ししたことのある井上さんは

まさにペパーミントグリーンのようなさわやかな印象のかたでした。

綿シャツの背中にしわを増やしつつ揺られておりぬ春の電車に

   黒髪の映える妹NOという言葉はげしく言うようになり

   魚からの進化一気にたどるため胎児(こ)はふかぶかとわれを眠らす

   子の夢に大きな魚が出てきたか胎動びくびく跳ね回りおり

   産むことを選ぶだろうか まだ堅き五歳と一歳の胸を洗いぬ

   霧雨にさしだす傘からとびだして濡れてゆくこと選んで吾子は

                           井上久美子 『マザーリーフ』


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