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原稿の締め切り


私が書く原稿は歌稿(短歌)と文章(随筆など)、

そしてその二つを合わせたものに分けられます。

単発の寄稿なら依頼があったときから、

連載なら毎回の原稿を送信した少し後から

原稿の締め切りのことが頭の中にあります。

短歌の場合、単発の原稿だと締め切り日がわかった時点から

そのモードにすーっと入っていく感じなので

締め切りがあるから詠めるともいえます。

そう考えると締め切りはありがたい存在です。

時間が必要なのは、どちらかというと文章の原稿です。

書くモードに入るまでの助走期間がかなりかかるのです。

「さ、書くか!」となるまでに数日、長い時は十数日を要します。

それまでは、時間があっても机に向かうことはなく、

新聞を読んだり、時には寝転がっていたり。

はたから見ればだらだらと過ごしているようにしか見えないでしょう。

そう、実際だらだらしているんです。

自分でも、さっさと原稿にかからなきゃ、と焦ってはいるのです。

でも、どうしてもそのモードに入れなくて、焦りは募るばかり。

この原稿執筆前の時点が一番苦しい。

そういう時、頭の中はぼうっとしているんですが

後で気づくとただぼうっとしているのではなく

やっぱり原稿のことを考えているんですね。

ただそれがまだもわもわとしたつかみどころのないものなので

書き始めることができない。

焦りつつだらだらしているうちにそのもわもわがしだいに熟成されてゆく。

ミルクがチーズになってゆく感じでしょうか。

そしてようやく執筆モードになるのです。

一度ペンを執ったら、そこからはけっこう早いです。

集中が大事なので、書いている間は食事もとらないことが多いですね。

書き上げたら、可能なら三日ほど寝かせて推敲します。

今月の上旬に締め切りのある原稿は三本でした。

そのうちの二本が文章だったんです。

まず歌稿を仕上げてエッセイを書き(ここまではいい感じ)、

三本目の文章の締め切りが迫っているのですが

なかなかそのモードに入れない。

きのうは例によって焦りながらだらだらした後、さぁ、これから!という時に

ふってわいたようなできごとが起こり、一枚も書けませんでした。

締め切りまであと二日。

焦りはピークに達します。

締め切りに間に合わないんじゃないだろうか。

その前に、このまま一行も書き出せないんじゃないだろうか。

苦しむだけ苦しんだら、なんか開き直ったようになります。

いったん集中して書き始めると、書くことの苦しさはあっても

書き出せない苦しみからようやく解放されるのです。

今日は13時から執筆を始めて、休憩無しの4時間半で下書きが終わりました。

これから入力と推敲をおこないます。

こんなに「苦しい」と言いながら、

書いたものを発表する機会を与えていただけるのはとても嬉しいのです。

自分でも不思議に思ったことがありますが

結局書くことが好きなのかもしれません(=^∸^=)


 
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