明治36年(1903)創業♦「常盤館」
嘉麻市の老舗旅館、「常盤館」(ときわかん)を見学させていただきました。
常盤館のある嘉麻市山田地区(旧・山田市)には、かつて多くの炭坑がありました。
常盤館の歴史は炭坑の発展とともにあった歴史といえましょう。
炭坑で栄えた時代、常盤館はすぐ近くに劇場「常盤座」を経営していました。
飯塚の嘉穂劇場でかかったのと同じ演目がこちらでも上演されていたそうです。
常盤館のつつじの庭。
欅の一枚板がはられた廊下。
贅を尽くした床柱や天井。
たとえば「鯉の間」には、滝登りをする鯉が全体に彫られた床柱、
蝶や将棋の駒が立体的に装飾された天井など、みどころがたくさんあります。
大広間には、四角い竹(!)の床柱も。
案内してくださった常盤館のご主人に「まるでテーマパークですね!」と申してしまいました。
見てワクワクするものがたくさんあるという意味だったのですが
帰宅してから常盤館のウェブサイトを拝見すると、
そこここに職人の遊び心がみられるので
宝さがしをするようにみつけてみてくださいというふうに書かれていました。
常盤館は時期的にも飯塚の旧伊藤伝右衛門邸と近く
使われた技術に共通したものもあるように見受けました。
本日の印象では、常盤館のほうがより豪快な感じでした。
でも、玄関近くには竹久夢二の作品が何点も飾られていたりもします。
もうひとつ、特筆すべきことは現在も営業されており、宿泊や食事ができること。
秋~冬限定のふく(ふぐ)料理は近隣のかたがたが毎年心待ちにされているそうです。
寒い時季ならふく料理を一度いただきたいし、
春ならつつじのお庭を愛でながらお食事をいただいてみたい。
また訪れたい、素敵なところです。