星野満寿子歌集『西暦三千年の雪』
あとがきによると、星野さんは2017年まで結社「白路」で長く活動なさって
『西暦三千年の雪』が第一歌集ということです。
( 2018年4月16日発行 書肆侃侃房 2,500円+税 )
タイトルは次の一首より取られています。
西暦三千年の雪の降る夜を見てみたいね酒を酌みつつゆく年の夜を
解説は染野太朗さんが書いていらっしゃいます。
こちらの歌集から、五首ご紹介いたします。
秘密めく遊びに似たり舌の上にとろりと甘き六月の牡蠣
ワイングラスの割れし経緯(いきさつ)を聞いている人の最期を聞いてるように
わが家に黒いピアノのありし日の静かに過ぎて妹病みぬ
さよならと言えばおんなじ顔をするあなたの母も私の母も
無人駅に待ちたるはははもういない 落ちて来そうな眉月浮かぶ
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