本日は短歌成分、多し
今日の朝日新聞の書評面(全4頁)には、二人の歌人の著書の書評が載っています。
さらに、「私の好きな新書」欄を歌人の永田和宏さんが執筆なさっています。
本日は短歌成分、多し♪
書評で取り上げられている一冊目は、九螺ささらさんの『神さまの住所』(朝日出版社)。
直接には存じ上げないかたですが、「朝日歌壇」でよくお名前を拝見します。
各章の初めに短歌があり、エッセイが続いて、また短歌で締められるという構成だそうです。
二冊目は穂村弘さんの『水中翼船炎上中』(講談社)。
エッセイも多数出版なさっている穂村さん。
歌集は17年ぶりの出版ということで、話題になっていますね。
評者の保坂正康さん(評論家)はこう書いておられます。
「(前略)自らの記憶の断片や成長時の光景に強いこだわりを持ち、
それを言葉に置き換え、そしていまに繋げているのだろう。
現代短歌の果たしているこの役割に、私たちは注目する必要がある。
言葉は生命力を持っていると気づかされるからだ。」
そして、永田和宏さんは「作家と観衆の対話、短歌でも」のタイトルで
『演劇入門』(平田オリザ著 講談社現代新書)について書かれています。
その中で、次のような件があります。
「(前略)私は、五句三十一音しか許されない短歌という詩型では、
詩は作者のものでも読者のものでもなく、
両者の<間>にこそ成立するものであると言い続けてきたからだ(『作家のヒント』)。
演劇論即(すなわ)ち作歌論となる。(後略)」