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「それだけが、僕の世界」


昨年(2018年)の韓国映画。日本でも昨年12月に公開されました。

かつて東洋チャンピオンだった元プロボクサーの兄、ジョハを

イ・ビョンホン、

天才的なピアノの才能を持つサヴァン症候群の弟、ジンテを

パク・ジョンミンが演じています。

二人の母親役にはユン・ヨジョン。

かつて東洋チャンピオンだった兄は

今は定職も住む場所もない。

17年前に別れた母親と偶然再会して

今まで会ったことも聞いたこともない弟と母と一緒に暮らすようになる。

お互いに戸惑いながらも家族の時間を過ごす。

サヴァン症候群ということばは今まで知りませんでした。

弟のジンテ(26歳)は音楽の専門的な教育を受けていませんが

スマートフォンでクラシックの曲のピアノ演奏を聴くと

すぐに覚えて弾くことができます。

それが音楽に詳しくない人の心にも届く、すばらしい演奏なのです。

このジンテ役を演じるパク・ジョンミョンは

撮影前の3か月間特訓をして

自分自身でピアノを弾いていると聞きました。

スクリーンで見るかぎり、確かに本人が弾いています。

わずか3か月間でこれだけ弾けるようになるとは

なかなか信じがたいほどの腕前です。

パク・ジョンミンがもともとピアノを弾けたのか、

それともまったく初めてだったのかはわかりませんが

すごいなーと思います。

もちろんイ・ビョンホンもいいのですが

私がこの作品でもっとも心をつかまれたのが

母親のあるしぐさです。

キャリーバッグとともに家を離れる母親を

兄弟が二階のベランダから見送るシーン。

母親が振りむいて、兄弟へ声をかけます。

そしてそのあと、もう中へ入れというように

片手を前のほうへ手首から二度振ります。

この説明でうまく伝わるかどうかわかりませんが

このしぐさを見たとき、

ああ、「韓国の母」だ、と思いました。


 
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