再現!短歌甲子園
おととい、福岡市内で西日本新聞社による短歌のイベントが開催されました。
3部構成になっていて、
第1部は伊藤一彦さんによる講演。
演題は「短歌づくりを楽しむ」。
会場の短歌愛好家のかたがたに向けて
短歌づくりで大切な4つのこととしてお話しになりました。
第2部は「再現!短歌甲子園」。
伊藤一彦さんの地元、宮崎で毎年おこなわれている
「牧水・短歌甲子園」のもようを再現するという趣向です。
日本の宮中などで長い伝統のある歌合わせ。
短歌甲子園は、この歌合わせの形式を用いて
高校生が3人一組で相手チームと対戦するものです。
こうした高校生が団体で参加する短歌の大会は
宮崎の他、
石川啄木の盛岡や
大伴家持ゆかりの富山でもおこなわれています。
そして第3部は作品講評。
伊藤一彦さんと桜川冴子さん、お二人の歌人が
あらかじめ参加者から「新」の題で募った詠草を講評なさいました。
その中から選ばれた優秀作の表彰をもって、
14時からのイベントは17時頃に閉会となりました。
伊藤一彦さんの講演はこれまで何度も拝聴していますが
福岡で講演なさる際はなるべくでかけるようにしています。
ですので、毎年1~3回はお聴きしていると思います。
今年もこれで2回目です。
お聴きして勉強になることはもちろんですが
伊藤先生のお声をお聴きすると
なんだか元気が出る感じがします。
伊藤先生は陽の気をくださっているのかもしれません。
それはもしかしたら
先生の産土、宮崎の気であるでしょうか。
以前から楽しみにしていた第2部の「再現!短歌甲子園」は
高校生の時に宮崎の「牧水・短歌甲子園」に出場した大学生たちが
一試合をおこないました。
対戦は、各チームが一人ずつ一対一で
自作の短歌を一首披露(朗読)します。
同じチームの別の選手がその歌の良いところをアピールした後
対戦チームとの質疑応答に入ります。
審査員は3人。
審査員の人数は必ず奇数とします。
ですので、引き分けとなることはなく、
必ず勝負は決着します。
審査は、両チームの短歌のできだけでなく
アピールの内容や
質疑応答の内容(相手方の作品の美点・欠点を的確に把握している、など)を
総合的に判断しておこなわれます。
今回は、3対0という結果になりました。
以前、短歌結社「かりん」の全国大会で歌合わせがおこなわれたことがあり、
その時は会場の聴衆全員が審査員となったのですが
審査の方法だけでなく、
その折の歌合わせと今回の対戦は
ずいぶん雰囲気が違いました。
実際の短歌甲子園は足を運んでいないので
高校生たちの大会の雰囲気はわからないのですが
今回の短歌甲子園経験者の大学生同士の対戦は、
短歌もうまいし、
質疑応答も冷静で、的確で、
言葉に詰まるという場面もほとんどなかった。
なんというか、優秀で、クールな感じ。
「かりん」の全国大会での歌合わせは
もっと熱くなって
そして楽しんでいる感じでした(=^∸^=)