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香りに乗せて送る気持ち

新型コロナウイルスの件で先月下旬から外出がぐっと減っていました。

今日は久しぶりにJRに乗車。

最初の用事が終わってからデパートへ寄って

白檀のお線香を購入しました。

白檀はうちでも使いますが

今日購入したのはおうち用でも短歌サロン用でもなく

大切な亡きかたへ贈るため。

3月19日がご命日です。

知り合ったのは20年ほど前。

同じ在日二世ですが

年齢が二回り近く離れているので

私のほうから友人と呼ぶのは申し訳ない。

そのかたは私のことを娘のようだと言ってくださいました。

最愛のご主人を亡くされあと短歌を始められて

全国規模の短歌大会で大会賞を受賞されたこともあります。

福岡市内で開かれた集まりで紹介されて

その後、私家版で出された歌集を送ってくださいました。

在日一世のご主人や若くして亡くなったご長男への挽歌が胸に残りました。

ご自宅が遠方なのでお目にかかる機会は多くありませんでしたが

電話や手紙で、そしてうたでつながっていました。

2005年に私が最初の歌集を出版した折は

とても喜んでくださいました。

一度、ごいっしょに岡山の美術館や備前焼のまちをめぐる旅をしたこともあります。

ぱっと見ると母娘のようだったかもしれません。

10年ほど前の年末、お誕生日のお祝いに生花をお送りしたとき、

電話をかけたら、

今大阪に遊びに来ていると元気なお声が返ってきました。

それが、年が明けてから4か月もたたないうちに他界されて、

信じられない思いで、茫然としてしまいました。

その思いを2年ほど引きずっていましたが

5年前にお墓にお参りすることができて

少し心が落ち着きました。

遠方なので

ご命日には毎年ご仏前にお供えしていただけるものをお送りしています。

これまで、お菓子箱や筑豊の銘酒などを送りましたが

今年は昨年に続いてお線香にしました。

仏教では「香食」(こうじき)といって

仏様は香りを召しあがると言われるそうですね。

白檀の香りに乗って

私の思いも届くでしょうか。

ご命日だけでなく、折々に思い出していること。

もうお会いできなくて、無性にさびしくなる日があること。

おつきあいに感謝していること。

お彼岸には最愛のご主人と息子さんおふたりがおられるので

さびしくなくお過ごしのことと思います。

 
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