喪の旅
朝日新聞に「喪の旅」というシリーズ記事が掲載されています。
亡きたいせつなひとへの思いや
亡くしたあとどのように過ごしているかを語るものです。
第2回(1/13付)は歌人の永田和宏さん。
ご存じのように、永田和宏さんの亡き奥様は同じく歌人の河野裕子さんです。
記事は
「言葉をたどる 妻がどんどん近くなる」
「思い出しては 三十一文字に寂しさ刻んだ10年」
という見出しで
その中で
お互いへの相聞歌はそれぞれ500首にものぼるという永田さんが
10年前に河野裕子さんを亡くしてからも
河野さんを詠んできた、そのうちの幾首かが紹介されています。
あほやなあと笑ひのけぞりまた笑ふあなたの椅子にあなたがゐない
ゐてほしいとおもふのはもうゐないとき 鍵をまはして戸を開けるなり
書くことでかろうじて乗り越えてきたのだらうきみの死なによりわが寂しさを
永田さんご夫妻のように
遺されたかたも亡くなったかたもどちらも歌人ということではなくても
うたを詠むひとは
たいせつなかたを亡くすと挽歌を詠みますね。
それは、うたによって喪の旅をしていることかもしれないと思ったことでした。
私も、おととしに母を亡くしてから
今も母のうたが生まれることが多いので
喪の旅の途中なのかもしれません。
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