「かりん」5月号-その窓は
今月の「かりん」は2日に届きました。
「かりん」誌では毎年5月号と11月号で特集が組まれます。
今回の特集は「短歌ドキュメンタリー 一年前の今、一年後の私」。
「コロナ禍の一年を国内外のかりんの仲間がどのような思いで過ごしてきたかを、
時系列のエッセイと短いエッセイの二本立ての特集とした。
時系列としたのは、やはり記憶は移ろいやすいものであり、
これほどの体験は点ではなく一年の記録として、
文芸を愛するかりんの仲間の皆で一緒に覚えておきたいと思ったからである。」
と説明されています。
各エッセイの最後には執筆者の自作1首が置かれています。
さて、冒頭の馬場先生の「さくやこの花」は今月号で第124回。
馬場先生がご自身の短歌作品1首を取り上げて書かれた文章です。
今回取り上げておられるのは次の1首です。
人間(じんかん)に鹿となりゐる妖しさに胸の太鼓をどんと打ちたり
『飛天の道』(2000年9月刊)
北上市の鹿踊りを詠まれたものです。
私のうたは7首載っています。
その中から幾首かご紹介しますね。
その窓はブルーシートに覆われて規制線守(も)る警官くしゃみす
黄色なる規制線の内側に黒白の猫撫でてる警官
規制線張られて五日目警官に問うことをもうしなくなりたり
その窓がブルーシートに覆われていたことじきに躑躅は忘れる
キム・英子・ヨンジャ 「かりん」2021年5月号
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