『齋藤芳生歌集』(現代短歌文庫)
- 1月14日
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<2026年1月14日>
現代短歌文庫から『齋藤芳生歌集』が刊行されました。
( 砂子屋書房 2025年10月29日 2,000円+税 )
第1歌集『桃花水を待つ』と第2歌集『湖水の南』は全篇収録、
第3歌集『花の渦』は抄が掲載されています。
そのほか、エッセイもたっぷり載っているんです。
『桃下水を待つ』が未読だったので
現代短歌文庫により拝読できてうれしかったです。
続いて『湖水の南』も再読しました。
第1歌集から第3歌集につながる歌集名も美しいですよね。
(単行本の装幀もとても美しかった!)
『桃下水を待つ』より
摘花作業の始まる朝よ春なればふるさとは桃下水にふくるる
川よお前を見つめて立てば私の身体を満たしゆく桃下水
海岸の硝子に混じりてあるといういるかの骨の白きを探す
細長きものを見つければ振り回す子どもとはいつもひかる円心
薄衣のさやさやとしてアラビアの妻たちが我の恋を見ている
この子の名は「神の忠実なる僕」長き睫毛をまたたかせいる
聖典を我は持たねば菊花茶をまるき茶碗にひらきゆくのみ
明け方は少し冷たく濃き霧に触れて指先より目覚めたり
犠牲祭のための羊が引かれゆき我のみが立ち止まる交差点
香りとは光るものなり薔薇水に髪を濡らして恋人を見る

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