菅原あつ子歌集『プラスチック紀』
「かりん」の菅原あつ子さんの第2歌集が出版されました。
( 飯塚書店 2020年11月30日発行 1500円+税 )
マザーテレサになろうと朝は思うよと介護疲れの友は笑えり
居ずまいを正して客を待つような雪国の人の冬を待つ日々
手をふって列車ひきとめ無人駅となりの庭からおばさんが乗る
郵便受けカタンとなればわれ先にたしかめにゆくみんなさみしい
あああれは浦島の箱うっすらと浜にけむりをあげて 原発
つぎつぎとながれよる船対岸のさむくやせたるくらしをのせて
われら滅び遺跡となりて見いだされ呼ばれるだろうプラスチック紀と
最後の7首目から歌集のタイトルがつけられています。
このうたには、今と未来と過去が同時に入っています。
現代を過去のものとして未来から見る目があります。
「プラスチック紀」という造語も効いていて
印象に残ります。
あとがきによると、
作者は週に1~2度、
海辺でプラスチックのごみを拾っておられるそうです。
昨年の7月からレジ袋が有料になったことで
プラスチックの問題に関心をもったかたも多いことでしょう。
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