中濱裕子歌集『バッタのチャプリン』
- momosaran
- 2024年10月29日
- 読了時間: 2分
<2024年10月30日>
「かりん」の中濱裕子さんの第1歌集が出版されました。
( いりの舎 2024年10月17日発行 2,500円+税 )
解説を米川千嘉子さんが書いておられます。
印象的なタイトルについてはあとがきに次の1節があります。
「チャプリンとはバッタのことで、メキシコのオアハカ地方では
小さいバッタを揚げて味付けしたものが名物となっています」
作者は日本語教師としてメキシコに赴任したのです。
メキシコや中国での仕事のほか
日本で留学生たちに日本語を教えた折のことが
生き生きと詠われています。
ご家族やご自身を詠んだうたにも惹かれますが、
私が漢字・儒教・律令制度・中国仏教を共通の文化要素として持つ
東アジア世界に関心を寄せているので
それらに関する作品を特に興味深く読みました。
また、次にご紹介する手袋のうたは
私が主宰しているいいづか短歌サロン
(今月のテーマは「物語を詠みこんだうた」)
でもご紹介いたしました。
中濱裕子さん、第1歌集のご上梓おめでとう存じます✨✨
子ぎつねも手ぶくろを買う季節なり我も両手に母の手袋
日本語を拾い集めて話してる休み時間の留学生は
春節とテトが同じと気が付いて明るき声の二国の学生
三の日は市の立つ日よ入れ歯屋も生きてる子豚も並んでおりぬ
衛兵に重く守られ胡志明(ホーチミン)ガラスの中に深く眠れり
夫に言う七割だけを子に言いて二人で暮らす日々アルデンテ
中国語で笑うときとは筋肉が違うと言いて楊さん笑う
螺旋階段のぼれば青き空に出る白いシーツを羽ばたかせよう
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