俵万智歌集『未来のサイズ』
- momosaran
- 2021年4月2日
- 読了時間: 2分
俵万智さんの第6歌集です。
( 2020年9月30日 KADOKAWA 1,400円+税 )
私は数年前に知った俵さんの次のうたが好きで、
主宰する短歌サロンや講師をつとめる短歌講座で
「制服のうた」をテーマとする折には必ず紹介してきました。
制服は未来のサイズ入学のどの子もどの子も未来着ている
最新の歌集のタイトルが『未来のサイズ』であると知ったとき
なんだか嬉しいきもちになりました♪
こちらの歌集には2013年から2020年までの418首が収められています。
Ⅰには、2020年、新型コロナウイルス感染症の流行により日常が日常でなくなった時期のうたが、
Ⅱの作品はおおむね沖縄・石垣島で暮らした時期のもの、
Ⅲには宮崎へ移住してからのうたという構成になっています。
社会詠もありますが
私は特に石垣島での暮らしを詠んだものが印象に残りました。
沖に出て小さきカヌーとなりながら手を振るものを若者と呼ぶ
足元のヤドカリたちが動きだす私の気配が消えたしるしに
雑草の増えゆくさまを眺めつつ「ヤギでも飼うか」という管理人
十五分前に見たあのガジュマルの続きの枝に出会う密林
藤の花のごとくむらむら垂れ下がり雨宿りする蝶々の群れ
制服は未来のサイズ入学のどの子もどの子も未来着ている
日に四度電話をかけてくる日あり息子の声を嗅ぐように聴く
「このマークの服がほしい」と描く子よ母にはそれがシャネルに見える
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