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内田いく子歌集『とっぴんぱらりのぷう』

  • momosaran
  • 2021年3月14日
  • 読了時間: 1分

「かりん」の内田いく子さんの5番目の歌集が出版されました。


(角川書店 2021年1月25日 2,600円+税)


歌集中に次の一首があります。




 骨も血も遺さず〈とっぴんぱらりのぷう〉忘れ草咲く野末にかがむ




「とっぴんぱらりのぷう」とは作者のふるさと秋田に伝わる昔話の結びのことばで


「おしまい、めでたしめでたし」の意味。


そして「聞いてもらってありがとう」の思いもこめられているようだと


あとがきにあります。


語感も愛らしく、印象に残ることばで


歌集名として良いなあと思います。


そこにはいろいろな人生の思いがこめられているのでしょう。


歌集から、印象に残ったうたを幾首か記します。




 ふたつ下のお隣さんもおひとりで寝たきりらしいでも息子来る



 漬物(がっこ)の味で嫁の良し悪しきめる地の嫁を拒みてすてしふるさと



 三日目に潰えるような決心にもあったかいなあ元日の陽は



 昨日は日にち今日は時間を間違えた頬染めながら寒椿咲く








 


 
 
 

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