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第35回〈紙上〉いいづか短歌サロン

今回のいいづか短歌サロンは2月28日付の発行ですが


22日に投函したので


本日(27日)までにはご参加のみなさまのお手元に届いたことと思います。


今回の秀歌鑑賞は季節やトピックに合わせたテーマではなく


桑原正紀歌集『花西行(はなさいぎょう)』(2016年)を取り上げました。


コロナ禍以前の短歌サロンでは


松村由利子さんの歌集『光のアラベスク』を取り上げたことがありますが


昨春、コロナ禍により紙上開催に切り替えてからは


1冊の歌集を取り上げるのは初めてです。


ですので、作者のプロフィールも短くですが記しました。


『花西行』は


かつて福岡市中央区薬院の「リードカフェ」で開かれていた


「詩と短歌の会」で出会った歌集です。


今回 短歌サロンで鑑賞したなかから1首ご紹介しますね。




 とむらひは儀式にあらず温石(おんじゃく)のごと亡き人を胸に抱くこと




温石という比喩が味わい深いですね。


今はもう使わない温石への郷愁と


亡きかたへのなつかしさが呼応して


温かく胸に沁みます。


コロナ禍により、近しいかたのご葬儀さえ


参列することが難しくなりました。


そんな時代ですから


「とむらひは儀式にあらず」と詠むこのうたがよけい心に響きます。



ご参加のみなさまの詠草(テーマは自由)は


万歩計のうたから


鹿児島県・西之表市長選を詠んだもの、


そして挽歌まで


幅広いテーマが揃いました。








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