ぎゅっと詰まった贈りもの
- momosaran
- 2016年7月18日
- 読了時間: 2分
歌集や歌書を出版すると献本するならいがあります。
私が所属する短歌結社「かりん」のお仲間がお贈りくださることも多くなりました。
5月は桜川冴子さんの『桜川冴子歌集』と大谷榮男さんの『トンネルの向こう』が、
6月には田村奈織美さんの第一歌集『透明なペガサス』が、
そしておとといは舟本恵美さんの歌集『野うさぎ』が届きました。
ありがとう存じます。
歌集のお礼状をしたためる時は感想やその中の好きな歌を書くようにしています。
自分の状況によっては上梓のお祝いや恵送へのお礼にとどまってしまう場合も
ありますが、できるだけ拝読してからお手紙を書くように努めています。
これまでの作品を歌集にまとめるとなると、
私の経験から申せば しなければならないことはたくさんあります。
まず出版社を決めて、そちらとの打ち合わせ。
解説や栞をつけるならば、どなたに執筆を依頼するか決めなければなりません。
そして、どの作品を収録するかの選歌と編集。
ようやく歌稿をまとめて出版社に送り、ほっとするのも束の間。
次は校正です。
それも初校、二校、場合によっては三校と続くのです。
また、装幀もカバーデザインだけでなく表紙の色や素材も多くの種類があり、
見開きやしおりの色まで、選ばなければならないことはたくさんあります。
そうしてようやく本が完成したら献本先をピックアップして送る作業に入ります。
歌集に収められたうたには作者の思いがこめられています。
さらに、その本ができあがるまでにかけられたたくさんの時間。
送られた歌集はまさに思いと時間がぎゅっと詰まった贈り物なのです。
と言いながら、田村さんの「透明なペガサス」、
拝読したものの仕事にかまけてお礼状が遅くなってしまいました。
申し訳ないことです。
今日の夕方には投函できそうです。
では、田村さんの歌集から、教職につかれていたころの一首を引きます。
ノコギリを振り上げている十五歳の何を信じた 抱きしめていた
田村奈織美
最新記事
すべて表示今月の「かりん」は8日に届きました。 (8日といえば、私が寝込んでしまった日ですね・・・) 今月号では私は前月号作品鑑賞(1A欄)を執筆しました。 それから、例年「かりん」の12月号には年間展望が掲載されます。 今回は、「山花集」の年間展望(執筆:畑彩子さん)で...
今月(第33回)のいいづか短歌サロン(紙上開催)は10日付で発行しました。 先月、8か月ぶりに会場で開催した折に見学に来られたかたがいらしたのですが そのかたが今回、初めてご参加になりました。 嬉しいことです♪ ご参加人数も紙上開催の回ではこれまでで最も多くなりました。...
購読している新聞(朝日です)には土曜日に別刷りの「be」が付きます。 その大きな写真付きの1面は「フロントランナー」。 さまざまな分野で活躍しているかたへのインタビュー記事です。 1面の記事は3面にも続きます。 今週の「フロントランナー」は歌人の穂村弘さんでした。...
Comments