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「水城」第282号

<2022年7月17日>


「水城」はコスモス短歌会福岡支部の会報です。


年3回発行されています。


その最新号(2022年7月10日付)が届きました。


コスモス福岡支部のみなさま、


いつもご恵送くださり、ありがとう存じます。


毎号 連載や歌集評など充実の内容です。


最新号の会員のみなさまの作品から


一読して印象に残ったうたをご紹介いたしますね。


(敬称略)






海は今朝けぶりてあらんかすかなる霧笛のおとが窓辺にとどく


有川知津子








咲き疲れ見えるクリーム色の薔薇切りて硝子の鉢にうかべる


有中房子







巡視船やしまが出航する朝を家族を見送るやうに見てゐた


大野英子







バレー人生五十八年目となりてまだまだ狙ふ全国大会


猿渡紀美子







新しき手動鉛筆削り器にえんぴつ削るわが事始め


末広芳子







ひそやかに八十九歳読みている『老けない人は何が違うのか』


辻 恵泉







川岸を走る自転車 少年のパーカー気球のごとくふくらむ


手嶋千尋








死ぬまでを耐へねばならぬ痛みらし錠剤だけが増えてゆくなり


中村仁彦








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