「Be With You」-サムチョン
「Be With You ~いま、会いにゆきます」は2018年の韓国映画。
日本では翌年に公開されています。
原作は日本の小説『いま、会いにゆきます』(2003年)。
市川拓司のベストセラーであり、
映画化やドラマ化もされましたが
私は原作を読んでいないし、
映画でもテレビでも観ていません。
韓国でリメイクされたこの作品も公開当時は映画館に行っていません。
今は、コロナ禍でステイホーム生活なので映画館そのものに行くことがなく
(もともと映画は映画館で観る派です)
さびしい。
この作品はうちで観ました。
韓国映画が観たい、という理由で。
あと、主演がソン・イェジンとソ・ジソプでした。
ソン・イェジンといえば、「ラスト・プリンセス」で徳恵翁主を演じたかた。
(こちらはコロナ禍前だったので、福岡市のKBCシネマで観ました♪)
最近では世界中で大ヒットした配信系の「愛の不時着」のヒロインとして有名ですね。
(私は残念ながら観ていないけれど)
それで観てみようという気になりました。
お話はファンタジーで、恋愛ものであり、家族の物語でもあります。
ジホ役の子役の男の子がとてもかわいい。
この子はこれが初めての演技だそうです。
それから、最初に出てくるアニメーションのペンギンが
松田聖子の「スイートメモリーズ」をCMソングとして使ったサントリーのCM、
あのアニメーションCMのペンギンたちを彷彿とさせます。
そして、私がビビッと反応したのは「サムチョン」ということば。
これは漢字の「三寸」。父方のおじという意味です。
(ちなみに、母方のおじは「外三寸」=ウェサムチョン)
パン屋さんであるホングをジホが「サムチョン」と呼ぶ。
だから、ホングはジホの父親の兄弟のように思えるのです。
お母さんを亡くしてしまった小学1年生のジホは
学校が終わるとうちではなくホングのパン屋さんへ行く。
お父さんが仕事から帰ってくるまでジホを預かっているのです。
運動会で、ホングはジホの父親の代わりに家族リレーに出場しようとするのですが
結局出られなくなります。
ジホはホングに「サムチョンは家族じゃないから」と言います。
ここでようやくホングは血のつながったおじではないとはっきりわかりました。
血縁のつながりが強い韓国。
同居していなくても、父親じゃなくても
ほんとうのおじなら、家族ではないとは言われないと思うのです。
近所のおじさんとかをいう「小父さん」の意味で
「サムチョン=三寸」が使われていることがわかります。
でも、それならどうして「アジョシ」ではないのでしょう?
韓国語にも、日本の小父さん・小母さん(血縁関係ではないおとな)にあたる言葉があって
それが小父さんはアジョシ、
小母さんはアジュモニ・アジュンマ(アジュマ)(地方によってアジメとも言う)です。
そこで思い出したのが「イモ」のことです。
食堂などで従業員の女性に対して「アジュンマ」(小母さん)と呼んでいたのを
「イモ」と呼ぶようになったと聞いたことがあります。
「イモ」は母方のおばのこと。
(ちなみに、父方のおばは「コモ」です)
血縁関係のある本物のおばさんに使うことばです。
どうして他人なのにそう呼ぶのか。
わたしには不思議ですが
親しみを表すためだろうと聞きました。
この映画で知った「サムチョン」の使い方も「イモ」と同じことなのでしょう。
日本では、親戚の叔母さんも近所の女性も同じように「おばさん」と言いますが、
韓国ではそこをはっきり分けていて
さらにどういった関係なのかによって親類の呼び方も細かく決められている。
どちらが良い、悪いではなく
それが両国のはっきりした違いだったのですが
その違いが小さくなっているのですね。
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