あのころ
嘉麻市の織田廣喜美術館で石川えりこ原画展「あのころ」が始まりました。
嘉麻市は飯塚市のおとなりで、
石川えりこさんは1955年稲築町(現・嘉麻市)生まれ。
現在は横浜市にお住まいです。
炭鉱のあるまちで育った子ども時代をモチーフにした絵本『ボタ山であそんだころ』で
第46回講談社出版文化賞絵本賞を受賞なさいました。
私が生まれ育ったところにも炭鉱がありました。
私には3歳上、5歳上、9歳上の姉がいるのですが、子どもの頃の記憶をたどる時
5歳の年齢差というのは大きく、姉が子どもの頃に見ていた世界を
私はまったく知らないということがあります。
石川えりこさんのことは存じ上げなかったのですが、
11日(日)にはご本人と飯塚市出身のRKBアナウンサー、田中みずきさんとの
トークショーもあることを、土曜日の夜中、読みおおせなかった金曜日の新聞を
広げて知り、私の知らない「子どもの目から見た炭鉱」のお話がうかがえるのでは
ないかと思って、日曜日にでかけてみました。
9時半の開館直後に美術館に着くと、会場には石川さんがいらっしゃり、
お知り合いのかた数人に原画の説明をなさっていて、
ラッキーなことに私もごいっしょすることになりました。
道具についておたずねすると、鉛筆で普通の画用紙に描くというお答え。
石川さんの絵は勢いがあって構図も思い切ったものが多く
子ども達の元気がいっぱい伝わってきます。
そしてご本人はふんわりとした優しい雰囲気の素敵なかたでした。
トークショーでは石川さんによる『ボタ山であそんだころ』の
読み聞かせもありました。
ご本人は「いつも絵ばかり描いているので読むのはへたです。」と
おっしゃっていましたが、
「ボタ山のぼってみらん?てっぺんからね、下をみたら、きもちいいとよ。」
絵本の中で子ども達がかわす会話を石川さんの声で
筑豊のことばのイントネーションそのもので聴く時
胸に響くものがありました。
昭和とう時代に育ちしなり記憶の底の炭住の子ら
キム・英子・ヨンジャ