次々と芥川賞候補に
先ほど今期の芥川賞と直木賞の受賞作が発表されました。
文芸ムック「たべるのがおそい」vol.4に掲載されて芥川賞候補作になった
宮内悠介さんの「ディレイ・エフェクト」は惜しくも受賞にいたりませんでした。
ご存じのかたも多いと思いますが、「たべるのがおそい」は、
福岡の出版社・書肆侃々房が2016年に創刊した文芸ムック(年2回発行)です。
日本の小説の他、短歌や翻訳小説、エッセイなどが載っています。
今回 宮内さんの作品が芥川賞候補作になったことを新聞で知った時
わあ、すごいなあ、快挙だなあと思いました。
けれども、衝撃ということでいえば、「あひる」のほうが上だったでしょう。
「たべるのがおそい」創刊号からいきなり芥川賞候補作が出たのです。
それが今村夏子さんの「あひる」でした。
新聞紙面にその情報をみつけた時は「うわっ!!」と声が出ました。
創刊号を買って「あひる」を読んでいたし
なにより「たべるのがおそい」を出している出版社のかたを知っているので
すごい!すごい!と嬉しくなりました。
本が売れない、純文学はさらに、といわれる時代に
新しい文芸ムックというかたちで文芸誌を創刊したこと、
そして創刊号から芥川賞候補作が出たことは
その年(2016年)の全国紙の「福岡・年末回顧」にも取り上げられました。
そして、vol.4の掲載作がまたもや候補に。
「たべるのがおそい」だけでなく、歌集も次々に出版しているし、
書肆侃々房の動きから目が離せません。
こうした出版社が福岡にあることをうれしく思います。