校正
原稿、書き上げた。
依頼されたところに送った。
あー、終わったー。
…でも、ほんとうは終わっていません。
しばらくすると、担当のかたからゲラ刷りが送られてきます。
これを校正して初めて原稿が完成するのです。
最初に原稿を送る前に自分自身で何度も読み返しているのに
それでも旧かな遣いの作品を引用する際にかなを間違っていたり、
固有名詞を誤記していたこともありました。
また、担当のかたから確認が入ることで
ああ、ここは説明がわかりにくいんだなと気づいたりもします。
表記の間違いだけでなく、部分的に加筆修正する最後の機会でもあります。
担当のかたも、史実の誤認がないかなど、丹念に調べてくださいます。
ですから、校正は執筆の付随業務ではなく、
文章を世に出す前の最後の大切なやりとり。
集中力が必要です。
校正を終えて初めて、「終わった…」と思えるのです。