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曽我亮子歌集『夕陽のまつり』

  • momosaran
  • 2018年3月22日
  • 読了時間: 2分

「かりん」の曽我亮子さんが第一歌集を上梓なさいました。

タイトルは掉尾に置かれた次の一首から取られています。

 相模湾に真赤き雲と群青の波頭きらめき夕陽のまつり

曽我さんとはお目にかかったことはありませんが

戦死なさったお父さまへの思いの深さを感じつつ拝読いたしました。

 魚食べぬ夫なり吾はきときとの魚裂くくらきよろこびを知らず

 心ここにあらざる人の妻恋ひに差し出されたるもの言ふあざらし

一首目。

10年ほど前、「キトキト!」という映画の試写会で主演の石田卓也さんにお会いしたことがあります。

その時に初めて「きときと」ということばを知りました。

富山地方のことばで、「生きがいい」、「新鮮だ」という意味です。

このうたでも、この方言のオノマトペがきいていて

「くらきよろこび」という表現を引き立てていると思います。

このうたの前には

<海の国に生まれて何故魚食さぬ消したる君の思ひは聞かず>

という作品があります。

二首目。

このアザラシ型ロボットのことは、

今年1月に「まつげがポイント❤」というタイトルでブログに書きました。

日本では介護施設への導入が多いときいていますが

このうたは「老人ホームの義姉」という一連の中にあります。

下の句に苦さをにじませています。


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