「最近、心に残った歌」
きのう、このシーズン初めて彼岸花を見ました。
刈り入れ間近の田んぼの畦道のところどころに咲いていました。
曼珠沙華(まんじゅしゃか)われを笑いて赤く立つ咲くも燃ゆるもおのれの器量
キム・英子・ヨンジャ
これは2005年に上梓した初めての歌集『サラン』に収めたうたです。
当時、私はまだ結社に入っておらず、
短歌教室といったところとも無縁で、
歌人の知り合いもほとんどいませんでした。
(この歌集を上梓した理由については
今月のブログ「父に捧げた歌集」に書きました)
そのような中、この歌集を謹呈した知人を通じて
『サラン』は
佐賀の結社「ひのくに」の江副壬曳子さんの元に届きました。
それをきっかけとして江副さんとお知り合いになったのですが
その頃
江副さんが「短歌研究」の「最近、心に残った歌」というミニコラムを執筆なさった折、
取りあげてくださったのが、
今日ご紹介した曼殊沙華の一首です。
まったく無名だったわたしのうたを取り上げてくださるなんんて光栄で
たいへんありがたく感じました。
それから、
毎年彼岸花を見るたびに
この一首と江副さんのことを思い出します。