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恋の句の引力-「俳句界」8月号

  • momosaran
  • 2018年9月27日
  • 読了時間: 2分

俳句のことはわからない私が

月刊「俳句界」(文學の森)でエッセイを連載するようになって10か月。

俳句の総合誌が毎月手元に届くこととなって

おかげさまで

以前よりも少し

俳句に接する機会が増えました。

もちろん、俳句に関して何もわからないのはそのままですが

見る世界がちょっと広がった感じもします。

2018年8月号では

「恋の句の引力」という特集が組まれ

「私の憧れている句」というサブタイトルで

8人の俳人のかたが恋の俳句を紹介なさっています。

その中で、

私がもっともひかれるのは

浦川聡子さんがあげていらっしゃる次の作品です。

 雪はげし抱かれて息のつまりしこと

 橋本多佳子

実はこの句には

以前に出会っています。

ある俳人のかたの講話を聴きにうかがった際

恋の俳句をたくさんご紹介してくださって

その中でも特に印象に残った作品でした。

浦川聡子さんはこの句についての文章の中で

次のようにお書きになっています。

「息が詰まっているのは作者。

それを思い起こし客観視しているのも作者。

それなのに読者である私は、

いつの間にか作者に成り代わってしまっていた。

息が詰まって苦しい。」

私も同じように感じます。

「つまりしこと」と明確に過去形になっているのですが

吹雪の中で抱きしめられているように感じます。


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