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辻聡之歌集『あしたの孵化』

  • momosaran
  • 2018年10月14日
  • 読了時間: 2分

「かりん」の辻聡之さんの初めての歌集が出版されました。

(短歌研究社 2018年8月30日発行 2,000円+税)

萩原裕幸さんと、松村由利子さん、寺井龍哉さんが

栞文を書いていらっしゃいます。

装画も童話集を思わせるような雰囲気で、素敵です。

辻聡之さんと私は年齢のひらきがあるのですが

(辻さんは30代です)

私にとっては辻さんは同期生のような感覚です。

というのは、「かりん」に入会した年月が同じだからです。

2009年1月でした。

「かりん」誌には各自の所属欄のほかに

「かりん集」というページがあって

(現在は「若月集」と「山桜集」もあります)

そちらには本欄を除いてⅠ~Ⅲ欄の中から馬場先生が選んだ作品が載ります。

入会したらまずⅢ欄に所属するのですが

Ⅲ欄に掲載されるときも

時々かりん集に選ばれたときも

辻さんの名前はいつも私の名前の前にありました。

なので、入会の折からずっと

辻さんの作品を読んできました。

私が2012年に『百年の祭祀(チェサ)』を出版して

翌年に東京でその批評会を開催した際は

会の最後にみなさまから花束をいただいたのですけれど

花束を渡してくださったのが辻さんでした。

いつもは「かりん」の集まりでおみかけしたときに

ご挨拶する程度であるものの

今回、初めての歌集を上梓なさったことを

ずいぶん年上の同期生として嬉しく思っています。

では、『あしたの孵化』より八首ご紹介いたします。

 ナポレオンは三十歳でクーデター ほんのり派手なネクタイで僕は

 引き算の清しき生活 読み終えし本を無理やりくれたる友の

 ぼくは右岸、左岸のきみに呼びかける千のことばを吊り橋にして

 (ざらざらの面が裏です)感情を折り畳んでからミスを指摘す

 キリン二頭くちづけせんと首伸べているサバンナのTシャツを着る

 晩冬に調子外れの歌うたう必要とされたさをMAXにして

 そんなにも尖った靴で父になる弟のこと今もわからず

 道の名を覚えられない 金木犀、とあなたに教えられた国道


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