章子祭(あやこまつり)
現在飯塚市の旧伊藤伝右衛門邸でおこなわれている秋の企画展では
「愛を貫いた三人のアキコ~三者三様の人生模様~」と題して
柳原白蓮、
与謝野晶子、
そして江口章子(あやこ)のそれぞれの生涯と交流が紹介されています。
江口章子(1888~1946)は、北原白秋の二番目の妻でした。
大分県の旧岬村(現・豊後高田市香々地)の裕福な造り酒屋に生まれ、
女学校に進学して結婚しますが
その破綻後に上京して北原白秋と出会います。
白秋と別れたのちも波乱に満ちた人生を歩みます。
ふるさとの香々地にかへり泣かむものか生まれし砂に顔はあてつつ
このようにふるさとをうたに詠んだ章子は
実際に帰郷しますが
病を抱えていたこともあり
穏やかな晩年とはなりませんでした。
白秋逝去を知った時、章子は次のように詠んだといいます。
ひとときの君が友とて生まれ来て女のいのちまことささげつ
現在、章子の出身地では
章子の誕生日(4月1日)に近い3月末に
「章子祭」がおこなわれているそうです。
そして、先月の下旬に、
章子の生家跡に記念公園が完成しました。
そちらには章子の歌碑のほか
生家にあった樹木や井戸跡などが移されたとききます。