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川丈旅館-「五足の靴」

  • momosaran
  • 2018年11月21日
  • 読了時間: 2分

福岡市一の、いいえ九州一の繁華街である中州。

その、博多川にかかる博多橋近くに建つ旅館。

鉄筋コンクリート製のようですが、レトロな感じのある建物です。

こちらは、明治時代から旅館業を営む、その名も川丈旅館。

なんでも、川端(町)の丈吉さんが始めたから、というのが

屋号の由来だとか。

その玄関前に、小さな文学碑があります。

その上部に刻まれているのは、吉井勇の次の一首。

 旅籠屋の名を川丈といひしことふとおもい出てむかし恋しむ

吉井勇がこちらに泊まったのは、明治40年のこと。

与謝野鉄幹と、北原白秋、吉井勇、木下杢太郎、平野万里の5人が

7月から8月にかけて約ひと月を九州北部、西部を旅した、

そしてその紀行文を「五足の靴」と題して発表しますが、

その「五足の靴」の旅の、九州での第一夜を過ごしたのが

川丈旅館なのです。

先日、初めてその前に立ちました。

現在も営業なさっているかどうかははっきりわかりませんでした。

中州の雰囲気は明治の頃と現在とでは

まったく違うことでしょう。

でも、旅館の前を流れる博多川はその頃と変わらないはず。

当時、鉄幹が37歳、

他の4人はまだ学生で20代でした。

その頃の川丈旅館はただの旅籠ではなく、

氷店や船上花火を見せる納涼店なども兼ねていたとか。

二階の窓をあけはなして寝かせてくれたと「五足の靴」に書かれています。

5人はどのような話をしながら

窓の外をながめたのだろうかと思いを馳せました。


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