96歳の新連載
瀬戸内寂聴さん。
たしか御歳96歳でいらっしゃいます。
ここ何年かは
数度の入院、そしてリハビリと、
身体的にお辛い状況が続いていたようです。
それでも、シールズの若者たちなどが国会議事堂前で
デモを続けていた時期には
車椅子で京都から東京へ駆けつけていらっしゃいました。
執筆のほうは
私の記憶では数年前に
「これが私の最後の小説」と言われる作品を出版なさいました。
そのほか、
私が存じ上げているものだけでも
句集「一人」を出されたり。
朝日新聞に月一回の随筆を連載していらしたり、
ごく最近では秘書のまなほさんとの共著が出たり。
おとといの土曜日、
新聞朝刊に文芸誌四誌の広告が並んでいました。
それをなんとなく眺めるように読んでいたんです。
まず向かって左端は「すばる」。
その左横の「新潮」は「新連載」として四作の作者名と題名が大きく載っています。
なになに、そのひとつは瀬戸内寂聴の「あこがれ」…!
わー、寂聴さん、すごいなぁ。
2016年に句集を出されたときは
「小説を書くのはたいへんになってきたけど俳句ならできると思って」
みたいなことをおっしゃっていたけれど。
その左は「文學界」。
そして、右端は「群像」。
「群像」の特集は「文学にできることをⅠ〈短編創作〉」。
五人の作家の作品名が並んでいるのですが
その筆頭が、
なんと!
寂聴さん。
「命日」というタイトルです。
96歳にして文学誌四誌のうち二誌に小説を執筆。
しかもそのうち一編は新連載。
これだけでもすごいと思ったのですが
その日の夜に
読む時間がとれなかった一日前(7日)の新聞に目を通したら
女優の吉田羊さんが和服姿で微笑む雑誌「ミセス」の広告に
またも「瀬戸内寂聴」のお名前が。
「新連載『次世代への手紙』第1回」とあります。
随筆に「もう明日はわからない身」というふうに書いていらしたけれど
一方で
小説を書くことは
「自分にとっては楽しみ。
だから続けてこられた。」
と語っていらっしゃったことを思い出しました。